広報「あゆみの家」128号
2021/07/26
きずな 2006 ホームにて (左、お寿司の出前/右、ホットケーキ作り)
あの日から五年
5年前の7月26日、神奈川県相模原市の「津久井やまゆり園」でその施設の元職員による、重度障がい者、職員への殺傷事件が発生しました。障害者19人を殺害するという大変ショッキングな事件でした。犯人の「重度障がい者は不幸だ。重度障がい者は生きていても意味がない。」と、その殺人を正当化しようとする発言は、さらに衝撃でした。
しかし、事件後、SNS上では、犯人の発言に賛同する多くの声が上がりました。残念ながら、障がい者はいないほうが良いと思う人が多く存在することがはっきりしてきたのです。
国の法律でかつて「優生保護法」というものがありました。その法律の目的は、その第一条で「この法律は、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護することを目的とする。」となっています。つまり、障がいをもって生まれる子は不良なので、生まれないようにすることを目的としているのです。基本的人権を高らかに唱っている日本国憲法と全く相反した法律があったわけです。この法律は1996年に改正され、「母体保護法」と改名されましたが、戦後40年以上にわたり、このような法律が残されていたことは、大変驚きでした。日本の国としての人権意識も大変低いと言わざるを得ません。その後2012年に障がい者虐待防止法、2016年に障がい者差別解消法が施行され、法律は整備されてきました。しかし、その差別解消法が施行されたその年にこの事件は発生したのです。
この事件からわたしたちは多くのことを考えさせられました。「障がいがあるから不幸なのではない。障がい者の差別が無くならないから不幸なのです。」と発信し続けていきたい。
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