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広報「あゆみの家」113号

 

おつかれさま会(3/10 デイセンターあゆみの家:大垣フォーラムホテル)

 

ふつうの暮らし

「ふつうの暮らし」という表現を知っている人は多くはないかもしれません。普通の暮らしを当たり前のようにしている大多数の人たちにとっては考える必要のないことだからです。
 障がいのある人たちの生活のあり方を語り合うとき、この「ふつうの暮らし」という言葉をしばしば耳にすることがあります。それは、自立した生活に困難を抱え支援を必要とする人たちが、生まれ育ち、慣れ親しんだ地域から離れて、特定の場所で集団生活をせざるを得ない実態があるからです。知的障がいのある人たちだけを例に挙げれば、現在でも全国で一三万人以上の人たちが施設入所支援という障害福祉のサービスを利用して、集団で生活されています。このような特別な生活形態を見直して、気ごころの知れ合った
少人数の仲間とともに、できるだけ町のなかで暮らし続けられるようになることを目指して始まった仕組みがグループホームの制度です。一九九〇年にスタートしたグループホームでは、現在、一〇万人以上の人たちの暮らしが実現しています。これまで、「ふつうの暮らし」と言うときは、主にこのグループホームでの生活を意味していました。
 前述の施設入所支援からグループホームや一人暮らしの生活に移っていくことが、現在の障害福祉施策の大きな柱の一つです。障害福祉計画等では「地域移行」と呼ばれています。
 「ふつうの暮らし」は、隔離や排除ではなく、障がいのある人たちが地域に溶け込んで暮らすことを目指していますので、地域の皆さまの理解と受容が求められてきます。
 少子高齢化や人口減少、過疎化など社会状況が大きく変わる中にあって、今は、障がいのある人たちだけでなく、高齢者も子どもも共に暮らす「共生社会」が目指されるようになってきており、福祉制度においてもこれら三者を一緒に支援しようとする「共生型サービス」などが始まろうとしています。

 

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